コーヒー文化が根付くイタリアでは、日本とは異なる習慣が多く存在します。そのひとつが「カプチーノは午前中しか飲まない」というルール。これは単なるこだわりではなく、イタリア人の食文化や健康意識に基づいた伝統なのです。今回は、なぜイタリアではカプチーノを午前中にしか飲まないのか、その背景を探ってみましょう。
カプチーノとは?
カプチーノは、エスプレッソに温かいミルクとミルクフォームを加えた、イタリアを代表するカフェドリンクです。クリーミーで泡立ちがよく、口当たりも滑らか。朝食と一緒に楽しむのが一般的です。
- 構成:エスプレッソ1/3、スチームミルク1/3、ミルクフォーム1/3
- 味わい:ミルクの甘みとエスプレッソのコクがバランスよく調和
午前中限定の理由
イタリアでは、カプチーノは「朝の飲み物」とされ、昼以降に頼むと驚かれることさえあります。
1. 乳製品は消化に重いと考えられている
- ミルクは脂肪分やタンパク質が多く、消化に時間がかかる。
- 昼食や夕食の後にカプチーノを飲むと、胃に負担をかけると考えられている。
2. エスプレッソ文化の強さ
- 食後は「エスプレッソ」が定番。短時間で飲めて、後味もすっきり。
- ミルクを加えることで、コーヒーの純粋な味わいが損なわれると感じる人も多い。
3. 食事との組み合わせが前提
- カプチーノは、クロワッサン(コルネット)などの甘い朝食と一緒に楽しむスタイル。
- 昼食以降は「コーヒー単体」で楽しむのがイタリア流。
注文のタイミングに注意
旅行でイタリアを訪れた際、午後にカプチーノを注文すると、バリスタに驚かれたり、観光客だと見抜かれてしまうこともあります。
もちろん、最近では観光地や国際的な都市では柔軟な対応も増えていますが、「地元の習慣を尊重する」という意味でも、午前中に楽しむのがスマートです。
イタリア人のコーヒー観
- 回数が多い:一日に何杯も飲むが、一杯は非常に少量(通常30ml程度)。
- 立ち飲みが基本:バールでサッと立ち飲みするのが日常スタイル。
- コーヒーは社交の一部:会話のきっかけ、休憩、文化的な交流の場としても機能している。
まとめ
イタリアで「カプチーノは午前中だけ」とされるのは、消化の観点、食文化、そしてコーヒーに対する価値観が深く関係しています。旅先で現地のカフェ文化を楽しむなら、午前中にカプチーノ、午後はエスプレッソというスタイルを試してみてはいかがでしょうか?
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