コアラはユーカリの葉を主食とする珍しい動物ですが、そのユーカリには毒が含まれています。では、なぜコアラは毒のあるユーカリを食べても平気なのでしょうか?その秘密は、コアラの赤ちゃんが母親のフンを食べるという驚きの習性にあります。
「パップ」とは?
コアラの赤ちゃんが食べる母親のフンは、「パップ」と呼ばれる特別なものです。通常のフンとは異なり、消化途中のやわらかい形状をしており、ユーカリを分解するための腸内細菌が豊富に含まれています。

なぜパップを食べるのか?
コアラの赤ちゃんは生まれたばかりのとき、ユーカリの毒を分解できる腸内細菌を持っていません。そのため、成長する過程でパップを食べることで、必要な腸内細菌を獲得し、ユーカリを安全に消化できる体へと適応していきます。
パップを食べる時期
- 生後約6か月になると、母コアラはパップを排出し始めます。
- 赤ちゃんコアラはこれを食べながら徐々にユーカリの葉を食べる準備を進めます。
- 生後1年ほどでユーカリのみを食べるようになり、独り立ちしていきます。

コアラの特殊な消化システム
コアラはユーカリを主食とするため、消化器官も特殊な構造になっています。
- 長い盲腸 :ユーカリの消化を助ける微生物が大量に生息。
- 低エネルギー食に適応 :ユーカリは栄養価が低いため、コアラは1日の大半を眠って過ごし、エネルギー消費を抑えている。
まとめ
コアラの赤ちゃんが母親のパップを食べるのは、ユーカリを消化できる腸内細菌を受け継ぐための大切な行動です。この驚きの習性があるおかげで、コアラはユーカリを主食とし、過酷な環境の中でも生き抜くことができるのです。
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