多くの動物は鏡に映った自分の姿を「他の個体」と認識してしまいますが、ハトはなんと、鏡に映った自分を“自分自身”だと認識できるという研究結果があります。これは「自己認識能力」を持つことを意味しており、動物界の中でも非常に珍しい特徴です。
自己認識とは?
自己認識とは、「自分が自分である」と理解し、自分の姿や行動を客観的に認識できる能力のことです。この能力は人間のほか、一部の哺乳類(チンパンジー、イルカ、ゾウなど)や鳥類の一部に限られています。
自己認識を調べる方法として有名なのが「鏡像自己認識テスト(MSRテスト)」です。

鏡像自己認識テストとは
このテストでは、動物の体にこっそりマークをつけ、それを鏡越しに見たときに、そのマークを気にしたり取り除こうとするかを観察します。
- 自己認識がある動物は、鏡に映った自分を観察し、異常(マーク)に気づいて反応します。
- 自己認識がない動物は、鏡に映った自分を他の個体と勘違いし、敵意を示したり無視したりします。
ハトはこのテストで、自分の体のマークに気づいて反応する行動を示したことから、自己認識能力を持っていると考えられています。

ハトの知能の高さ
ハトは「単純な鳥」と思われがちですが、実は非常に知能が高いことで知られています。
- 記憶力に優れる:数百枚の写真を見分けて記憶することができる。
- パターン認識能力が高い:人間の顔や芸術作品のスタイルまで識別可能。
- 数の概念を理解できる:単純な加減算を学習できるという研究もあります。
自己認識が示す可能性
ハトが自己認識を持つという事実は、鳥類の認知能力が想像以上に高いことを示しています。これは、動物の知性を見直すきっかけにもなっており、今後の動物行動学や比較心理学において、さらなる研究が期待される分野です。

まとめ
ハトは鏡に映った自分の姿を「自分だ」と認識する能力を持っています。これは動物の中でも非常に珍しい「自己認識能力」を示す証拠であり、ハトの知能の高さを物語っています。普段何気なく見ているハトも、実はとても賢い存在なのかもしれません。
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